2025.11.4
「最近全国で見ますよ、今、ニュースでよく見るわ!」
11月3日、文化の日。大阪のシンボルストリート、御堂筋に響いたのは、司会を務める今田耕司氏による吉村洋文知事への、関西式ド直球のツッコミだった。この日、大型イベント「御堂筋ランウェイ2025」の開幕式は、単なる知事・市長の挨拶に終わらず、「お笑いの里・大阪」のトップコンビによるハイレベルな即興ライブ会場と化した。
爆笑を呼んだのは、吉村知事のこの“振り(ボケ)”だ。ランウェイの内容を紹介する際、「今日のファッションショーは横山市長がやります」と宣言。会場がどよめく中、横山英幸市長は満面の笑顔で「へいへい」とノリツッコミで応じ、今田氏が「市長がやるですか?本当前で嘘ついた」と乗っかる。知事は「俺前でやった時は本当に恥ずかしくて走って逃げたくなった」と自虐ネタを挟み、**「妖怪市長のファッションショーですね」**と畳みかけた。
ここで終わらないのが、大阪のトップの熱量だ。軽妙なボケとツッコミの応酬は、すぐに夜の「大阪・光の饗宴2025 開宴式」で**「ポスト万博の大阪エンタメ戦略」という真剣なビジョンへと繋がった。両氏が口を揃えて強調したのは、コロナ禍を経験してもなお失われない「ライブ」の価値。「万博後はエンタメを圧倒的な空間にしたい」と語る吉村・横山コンビが御堂筋のど真ん中で宣言したのは、単なる都市開発ではない、「人を元気にし、喜ばせる装置としての街づくり」**の始まりだ。
「ライブは絶対なくならない」が政策の背骨に
吉村知事が熱く語った**「ライブは絶対なくならない」という確信は、単なる精神論ではない。それは、コロナ禍を経て再認識された「人と人が集い、感情を共有する場」**の圧倒的な価値を、そのまま大阪の都市政策の背骨に据えるという宣言に他ならない。
知事は、「スマホ時代やからネットの時代にいらないと言われた」という万博への批判に触れつつも、「ライブは絶対なくならない。だから、万博も絶対大事です」と強調。横山市長も「ライブ、俺はもうニーズですよ」と同調し、市民が主役となり活躍できるような**「エンターテイメントとかそういうライブを大切にする街づくり」**を進める意思を示した。
ナイトエンタメと水都アート:大阪に生まれる「圧倒的な空間」
この「ライブ」を支える具体的なインフラ整備として、両トップが打ち出したのは多岐にわたる。横山市長は、**「万博後はエンタメを圧倒的なエンタメ空間に大阪やっぱり作っていきたい」**と述べ、具体的なビジョンを提示した。
アリーナと拠点開発: 広い意味でのエンターテイメントを楽しめる**「拠点」として、森ノ宮や万博公園**周辺の開発を進行させる。これは、大規模なライブやスポーツを核とした集客装置となる。
ナイトエンターテイメントの推進: 夜も楽しめるような場所の環境づくりに注力。**「夜の賑わい」**を生み出し、大阪の滞在価値を高める。
水運・アートの活用: 「駅校のビジョン」や「水の港」というキーワードから、水辺の活性化やアートを活用した国際的なイベントの開催を強化する姿勢が垣間見える。水の都・大阪の魅力をエンタメと融合させる試みだ。
この戦略は、大阪の「素晴らしい文化」を発信する拠点づくりを中心に、都心においても様々なイベントを強化していくという具体的な予算と計画に裏打ちされている。
政策の具体化:西日本最大級アリーナと夢洲跡地
両トップが語る「エンタメの拠点」構想は、既に具体的な計画として進行している。
万博記念公園アリーナ: 西日本最大級となる最大18,000人収容のアリーナ(多目的複合施設)建設が進められている。ホテルや商業施設も併設され、年間165回のイベント開催、約180万人の来館を想定。アリーナ棟は2029年1月末までの開業を目指している。
夢洲(万博会場跡地): 万博閉幕後の会場跡地(夢洲2期)開発計画では、民間事業者からサーキットや大型アリーナなどのエンターテイメント施設を整備する案が提出され、優秀提案として選定されたことがわかっている。
知事と市長が「エンタメ特区」として進める街づくりは、ライブの感動を味わう巨大なインフラの構築と、万博後の資産を最大限に活用する大胆な計画によって、現実味を帯びている。
結び:ポスト万博の大阪は「エンタメ特区」へ
イベントの直前まで降っていた雨が、開催時間に合わせるようにタイミングよく止み晴れ間がのぞいたことも、「御堂筋ランウェイ」の劇的なエンタメ性を演出した。
「エンターテイメントには力がある」「ライブは絶対になくならない」。お笑いのDNAを持つこのコンビが主導する大阪の街づくりは、単なるハコモノ行政ではなく、市民一人ひとりを「主役」にし、人を元気にさせる**“笑いのインフラ”を整備する壮大な計画だと言えるだろう。ポスト万博の大阪は、「世界を笑わせるエンタメ特区」**を目指す。
